駄餉(読み)だこう

精選版 日本国語大辞典 「駄餉」の意味・読み・例文・類語

だ‐こう‥カウ【駄餉】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「こう」は「餉(しょう)」の慣用読み。「だごう」とも )
  2. 馬につけて送る飼葉(かいば)。だしょう。
  3. 旅行中、あるいは、野外での食糧弁当。だしょう。
    1. [初出の実例]「爰筥根山別当行実、差弟僧永実、令御駄餉、奉武衛」(出典吾妻鏡‐治承四年(1180)八月二四日)

だ‐しょう‥シャウ【駄餉】

  1. 〘 名詞 〙だこう(駄餉)
    1. [初出の実例]「駄餉 ダセウ 旅中之食物」(出典:書言字考節用集(1717)七)

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改訂新版 世界大百科事典 「駄餉」の意味・わかりやすい解説

駄餉 (だこう)

本来は〈だしょう〉と読み,馬につけて送るかいばをいったが,平安・鎌倉時代以降は通常〈だこう〉〈だごう〉と読み,外出先での食事を指す語となった。上は貴族将軍から一般武士僧侶等まで身分ある者について広く用いられた語であるが,用例からすると,外出や従軍のさい持参する旅籠(はたご),腰兵粮(こしびようろう)や招待先の邸宅での正式の供応を駄餉と呼ぶことはなく,もっぱら旅行,行軍巻狩遊山などにさいして,宿所,仮屋,野営地など臨時の逗留地で取る食事を呼んだ。したがって駄餉はその地に材料を運んで調理するものであり,みずからもうけるばあいはその従者(将軍なら御家人,一般武士なら所従ら)が,また客の供応の形で行われるときは招待側が事前に準備した。
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世界大百科事典(旧版)内の駄餉の言及

【駄餉】より

…本来は〈だしょう〉と読み,馬につけて送るかいばをいったが,平安・鎌倉時代以降は通常〈だこう〉〈だごう〉と読み,外出先での食事を指す語となった。上は貴族・将軍から一般武士・僧侶等まで身分ある者について広く用いられた語であるが,用例からすると,外出や従軍のさい持参する旅籠(はたご),腰兵粮(こしびようろう)や招待先の邸宅での正式の供応を駄餉と呼ぶことはなく,もっぱら旅行,行軍,巻狩,遊山などにさいして,宿所,仮屋,野営地など臨時の逗留地で取る食事を呼んだ。したがって駄餉はその地に材料を運んで調理するものであり,みずからもうけるばあいはその従者(将軍なら御家人,一般武士なら所従ら)が,また客の供応の形で行われるときは招待側が事前に準備した。…

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