本来は〈だしょう〉と読み,馬につけて送るかいばをいったが,平安・鎌倉時代以降は通常〈だこう〉〈だごう〉と読み,外出先での食事を指す語となった。上は貴族・将軍から一般武士・僧侶等まで身分ある者について広く用いられた語であるが,用例からすると,外出や従軍のさい持参する旅籠(はたご),腰兵粮(こしびようろう)や招待先の邸宅での正式の供応を駄餉と呼ぶことはなく,もっぱら旅行,行軍,巻狩,遊山などにさいして,宿所,仮屋,野営地など臨時の逗留地で取る食事を呼んだ。したがって駄餉はその地に材料を運んで調理するものであり,みずからもうけるばあいはその従者(将軍なら御家人,一般武士なら所従ら)が,また客の供応の形で行われるときは招待側が事前に準備した。
執筆者:義江 彰夫
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
…本来は〈だしょう〉と読み,馬につけて送るかいばをいったが,平安・鎌倉時代以降は通常〈だこう〉〈だごう〉と読み,外出先での食事を指す語となった。上は貴族・将軍から一般武士・僧侶等まで身分ある者について広く用いられた語であるが,用例からすると,外出や従軍のさい持参する旅籠(はたご),腰兵粮(こしびようろう)や招待先の邸宅での正式の供応を駄餉と呼ぶことはなく,もっぱら旅行,行軍,巻狩,遊山などにさいして,宿所,仮屋,野営地など臨時の逗留地で取る食事を呼んだ。したがって駄餉はその地に材料を運んで調理するものであり,みずからもうけるばあいはその従者(将軍なら御家人,一般武士なら所従ら)が,また客の供応の形で行われるときは招待側が事前に準備した。…
※「駄餉」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」