浣腸法の一種で、多量の浣腸液を用いて注入時の腸管内圧を高め、直腸のみならず、さらに高位の大腸からも糞便(ふんべん)の排出を図ろうとする方法をいう。高度な便秘症や腸閉塞(へいそく)の治療、腸管手術の前処置としても行われる。一般には、体温程度に温めた生理的食塩水(0.9%食塩水)500ミリリットルをイリゲーターirrigator(灌注器(かんちゅうき))を用いて数十センチメートルの落差で緩徐に経肛門的に注入する。体位は腹臥位(ふくがい)または左側臥位が効果的である。これは一般家庭で行うことはない。腸管に炎症が強いときや脳圧亢進(こうしん)時、老人、衰弱者、心疾患、妊婦、乳児には慎重を要する。薬液は生理的食塩水のほか、50%以下のグリセリン液、せっけん液を用いることがある。通常、注入後5~10分後に便意を催し、多量の排便がみられるものである。
[竹馬 浩]
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…新生児などには,安全性を留意して薬液を用いず,こよりで肛門部を刺激する方法が用いられる。薬用セッケン浣腸は高圧浣腸ともいい,軽症のイレウスなどに際して行われるが,薬液の量も多く,また高い所から注入し,圧力がかかるので,医師の指示のもとで行う必要がある。いずれの場合も,直腸内の粘膜の保護のため,温度,濃度,注入の速度に十分留意し,患者の状態を観察しつつ,緊張や不安を与えないようにして行う必要がある。…
※「高圧浣腸」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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