日本歴史地名大系 「高峰山」の解説 高峰山たかみねやま 長野県:小諸市高峰山小諸市の北方、群馬県境近くにあり、標高二一〇五メートル。烏帽子(えぼし)火山群の西端をなす成層火山。東は車坂(くるまざか)峠(一九七三メートル)を挟んで浅間山(二五四二メートル)の外輪山たる黒斑(くろふ)山(二四一四メートル)に続き、佐久平(さくだいら)を一望できる景勝地。ここから発して千曲川に流入する深沢(ふかざわ)川は、滝原(たきばら)・糠地(ぬかじ)・井子(いご)・西原(にしはら)・芝生田(しぼうだ)など旧村地域の灌漑用水となる。近世、南斜面は菱野(ひしの)村・後平(うしろだいら)村を山元とする一五ヵ村の入会採草地であり(長野県町村誌)、また小諸藩にとっては家臣団に給与する薪炭の重要な供給地でもあった(文化八年三月「小諸家中渡菱野御林薪付送帳」土屋俊一氏蔵)。 高峰山たかみねやま 岐阜県:恵那郡坂下町高峰山坂下町の南方、中津川市苗木(なえぎ)と頂上で境しており、標高九四四・七メートル。町有林として坂下町の財源の一端を担っている。かつては神山として崇拝され、霊山として恐れられ、江戸時代には馬の草刈場とされていた。昔は馬は最も主要な農具で、草刈・薪運搬等により高峰山は何百頭もの馬で賑った。山中には氷餅作りの小屋があり、苗木藩主は好んで製造させたという(坂下町史)。安永年間(一七七二―八一)苗木藩主遠山家の奥方が午年生れで病気がちであったため、城の北側にあたる高峰山の山頂に、守本尊として観音が安置され厚く信仰された。 出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報