高速液体クロマトグラフィー(読み)コウソクエキタイクロマトグラフィー(その他表記)high speed liquid chromatography

デジタル大辞泉 の解説

こうそく‐えきたいクロマトグラフィー〔カウソク‐〕【高速液体クロマトグラフィー】

液体クロマトグラフィー一種試料が溶け込んだ溶媒高圧をかけて注入することで、短時間で高い分解能の分離を可能とする。充塡剤としてシリカゲルの微細な粒子を用いるものなどがある。高圧液体クロマトグラフィー高性能液体クロマトグラフィーHPLC(high performance liquid chromatography)。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 の解説

高速液体クロマトグラフィー
こうそくえきたいクロマトグラフィー
high speed liquid chromatography

液体クロマトグラフィーの分野で,特に微量試料の分析によく用いられる方法。極微粒子の吸着剤を充填した小口径カラムを用いるクロマトグラフィーで,高圧 (数十から数百気圧) を加えて展開液の流量を大きくする。微細粒子,小口径カラムを用いているので各成分の分離が良好である。また流量が大きいので展開時間が短くてすむ。熱に不安定な物質や,気化しにくい物質に好適な微量分離分析法。吸着剤や展開液組成の選択も自由度が大きい。いろいろの分野で利用される。従来の液体クロマトグラフィーと比較して,試料の微量化,分析時間の短縮などの点で応用範囲が広い。微量物質の分取に応用されることも多い。 (→ガスクロマトグラフィー )

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栄養・生化学辞典 の解説

高速液体クロマトグラフィー

 高分解能液体クロマトグラフィーと同じ意味に用いられる.ポンプ,送液系統,カラム,検出装置などのライン全体を高圧に耐えるように作り,高圧で流動相を移動させて物質を分離する方法.高圧に耐えるため微細なクロマト担体をカラムに詰めることができ,段数を増やすことができ,高度,高能率,かつ迅速な分離が可能になる.

出典 朝倉書店栄養・生化学辞典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の高速液体クロマトグラフィーの言及

【クロマトグラフィー】より

…移動相は成分を前進させる力として,固定相はこれに抵抗してとどめようとする力として働いている。なお,分離は図の上から5段目または6段目あたりで止める方法(後述の薄層クロマトグラフィーやペーパークロマトグラフィーの場合)と成分ごとに溶出させて検出器に導き,クロマトグラムを自動的に得る方法(ガスクロマトグラフィーや高速液体クロマトグラフィーの場合)とがある。 固定相の種類を選ぶことによって,吸着,溶解,分子ふるい,イオン交換などの現象を利用できる。…

※「高速液体クロマトグラフィー」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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