鬼神に横道無し（読み）きじんにおうどうなし

精選版 日本国語大辞典

きじん【鬼神】 に=横道(おうどう)［=邪(よこしま)］無(な)し

1. 鬼神①は正道にはずれたことをしないの意。神明に横道なし。
   1. [初出の実例]「王土にをらん虫、皇居を建てられんに、何のたたりをかなすべき。鬼神(きじん)はよこしまなし」(出典：徒然草（1331頃）二〇七)
   2. 「きじんにわうどうなきとかや」(出典：御伽草子・酒呑童子（室町末）)

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ことわざを知る辞典

鬼神に横道無し

鬼神は曲がったことや道理にはずれたことはしない。

[使用例] 「ええ、これ開けてはなんねぇちゅうに、」「だって、あれ、あれ、助けてくれというものを。鬼神に横道なし、と言う、情に抵抗てむかう刃やいばはないはず」［泉鏡花＊草迷宮｜1908］

[解説] 鬼神は、死者の霊魂と天地の神霊をさします。人間と違って、鬼神は正直で曲がったところがなく、よこしまなことはしないとされていました。

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