鳥口(読み)トリグチ

デジタル大辞泉 「鳥口」の意味・読み・例文・類語

とり‐ぐち【鳥口】

文杖ふづえなどの尖端せんたんの、物を挟む所。ここに文書などを挟んで位の上の人に差し出した。鳥のくちばしに似ているところからいう。

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精選版 日本国語大辞典 「鳥口」の意味・読み・例文・類語

とり‐ぐち【鳥口】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 文杖(ふづえ)などの尖端の、文書を挟む切り口。ここに文書を挟んで貴人に差し出した。鳥の嘴(くちばし)に似ているところからいう。
    1. [初出の実例]「左右毛付奏持来、左大将取之、各披閲畢、挿鳥口」(出典:後二条師通記‐寛治四年(1090)四月二〇日)
  3. 一端が細く、鳥の嘴に似た形の鉄床(かなとこ)。とりのはし。〔日葡辞書(1603‐04)〕

とり‐の‐くち【鳥口】

  1. 〘 名詞 〙 苗代の籾(もみ)まきの後、残りの種籾焼米にして水口(みなくち)に供え、田の神をまつる行事。転じて、その焼米。
    1. [初出の実例]「鳥の口と申て苗代の中へ茅なとを三本立、其脇に糄き米を一握の撮(つま)み置申」(出典:諸国風俗問状答(19C前)備後国深津郡本庄村風俗問状答)

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