鳳山(読み)ほうべんざん

日本歴史地名大系 「鳳山」の解説


ほうべんざん

山口市の北北西にそびえる山で、北は阿武あぶあさひ村、西方美祢美東みねみとう町にまたがり、山頂は長門周防の国境でもある。標高七三四・二メートルの東鳳翩山、同七四一・九メートルの西鳳翩山に分れる。古くは方便山とも記したが、山口市の北東部の仁保にほにある東方便山・西方便山とは別である。

享保一三年(一七二八)絵図には、この山を「コシキガ嶽」と記しており、付近の村人にはこの名で親しまれたらしい。現在名の鳳翩山は江戸時代の漢学者などが同音の文字をあてたものであるという(山口県風土誌)。「続日本紀」天平二年(七三〇)三月一三日条に「吉敷郡達理山所出銅、試加冶練並堪為用」とある「達理山」をこの山にあてる説もあり、銅鉱などを掘った小規模な鉱山所々にあるが、達理たつり山とする決め手はない。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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