鴫山城跡(読み)しぎやまじようあと

日本歴史地名大系 「鴫山城跡」の解説

鴫山城跡
しぎやまじようあと

[現在地名]田島町田島

田島町市街地の南、荒海あらかい川東岸にそびえる標高七四九メートルの愛宕あたご(鴫山)を中心に築かれた山城。字愛宕山あたごやま根小屋ねごや丸山まるやま・上丸山・中台山なかのだいやま欠落かけおろし姥平山うばだいらやま一帯に及ぶ。もと山城と称したが蘆名氏と戦った時、一羽の鴫が敵陣の旗をくわえてきて大勝をもたらしたので改称したという(会津四家合考)。田島城・南山みなみやま城ともいう。当地は会津から関東へ通じる街道(近世の下野街道)が通る交通の要衝で、愛宕山はこの街道を押え、また頂上からは周囲の村落が一望できる。築城時期は不詳だが、長沼本宗家が下野から当地に転じた室町時代初め、長沼義秀の代には築かれていたと考えられる。なお長沼氏は南北朝末期まで水無みずなし川近くの台地上の字北下原きたしもはらに館を築き、その城下ふる(元町)と称したが、のち鴫山城に移り城下殿との町が形成されたと伝える。

長禄三年(一四五九)仙道の結城白川氏と山内越中の兵五〇〇余騎が鴫山城を攻め占領していたが、蘆名氏は長沼氏に加勢して同城を奪回している。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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