鴫立庵(読み)しぎたつあん

日本歴史地名大系 「鴫立庵」の解説

鴫立庵
しぎたつあん

[現在地名]大磯町大磯

東小磯ひがしこいその中央部、字猪狩いのがりの丘間より流出し相模湾に注ぐ鴫立川西岸、旧大磯宿の南西、東小磯との境にあり、東海道の南側に位置する。秋暮しゆうぼ亭・東往とうおう舎ともよばれる(風土記稿)。鴫立庵の名は西行が東遊の際、当地で

<資料は省略されています>

と詠じたことに由来するという(風土記稿)。文明一八年(一四八六)当地を通った聖護院道興は「廻国雑記」に「鴫たつ沢といふ所にいたりぬ、西行法師こゝにて、心なき身にもあはれはしられけりと詠ぜしより、此所をかくは名づけるよし里人語り侍りければ」として「哀しる人の昔を思ひ出て鴫たつ沢をなくなくそとふ」と詠んでいる。寛文四年(一六六四)小田原の崇雪が庵を結び、五智如来の石像を造り、鴫立庵の標石を建てたという(風土記稿)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

世界大百科事典(旧版)内の鴫立庵の言及

【三千風】より

…〈一口鉢犬西行にほととぎす〉(《日本行脚文集》)。なお,三千風が営んだ庵はその後俳諧関係者によって継承され,鴫立庵の名を伝えている。【岡本 勝】。…

※「鴫立庵」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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