鶯菜(読み)ウグイスナ

デジタル大辞泉 「鶯菜」の意味・読み・例文・類語

うぐいす‐な〔うぐひす‐〕【×鶯菜】

コマツナアブラナなどの、まだ若くて小さい菜。 春》「摘みそへよ膳のむかひの―/白雄

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「鶯菜」の意味・読み・例文・類語

うぐいす‐なうぐひす‥【鶯菜】

  1. 〘 名詞 〙 コマツナ、アブラナ、カブなどの菜の類で、春に一〇センチメートルほどに伸びたものをつまみ菜とするもの。特にコマツナをいうことが多く、鶯が鳴く頃に出、色も似ているところからいう。《 季語・春 》
    1. [初出の実例]「大洪水に而、〈略〉殊に鶯菜悉く打おり何もなし」(出典:勝山記‐永祿二年(1559))

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

デジタル大辞泉プラス 「鶯菜」の解説

鶯菜

京都府京都市で生産されるカブ。江戸時代中期に「天王寺かぶ」から選抜・育成された品種。葉は「壬生菜」のようなスプーン型で、根は白く偏円形。早春ウグイスが鳴く時期に収穫されることからこう呼ばれる。京都府により「京の伝統野菜」に認定されている。

出典 小学館デジタル大辞泉プラスについて 情報

動植物名よみかた辞典 普及版 「鶯菜」の解説

鶯菜 (ウグイスナ)

植物油菜の品種。コマツナの別称

出典 日外アソシエーツ「動植物名よみかた辞典 普及版」動植物名よみかた辞典 普及版について 情報

世界大百科事典(旧版)内の鶯菜の言及

【カブ(蕪∥蕪菁)】より

…江戸時代になると,青菜はそうした葉菜の総称となり,カブの地上部はカブの菜の意で,〈かぶらな〉〈かぶな〉と呼ばれるようになる。《本朝食鑑》(1697)は,春になって大きくのびた茎を茎立,種から発芽したばかりの二葉のものを貝割(かいわり)菜,10cm近くになったのを鶯(うぐいす)菜というとしている。日本での栽培がいつごろ始まったかは不明だが,693年(持統7)3月には栽培を奨励する持統天皇の詔が出されており,より古く《古事記》の歌謡にも栽培されていた様子が歌われている。…

【コマツナ(小松菜)】より

…アブラナ科の一年草で,アブラナ(ナタネ)の変種。漬菜類の一種でカブと近縁であるが,カブのようには根部が肥大しない。フユナ(冬菜),ウグイスナ,カサイナ(葛西菜)などともよばれる。小松菜の名称は東京の小松川で発達した菜であることに由来する。在来カブのククタチからでてきたものと思われる。関西ではほとんど栽培されず,関東での栽培が多い。葉数はあまり多くなく,株もそれほど大きくはならない。葉はへら形,丸形およびその中間形に分かれる。…

※「鶯菜」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

ベートーベンの「第九」

「歓喜の歌」の合唱で知られ、聴力をほぼ失ったベートーベンが晩年に完成させた最後の交響曲。第4楽章にある合唱は人生の苦悩と喜び、全人類の兄弟愛をたたえたシラーの詩が基で欧州連合(EU)の歌にも指定され...

ベートーベンの「第九」の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android