加舎白雄(読み)カヤシラオ

デジタル大辞泉 「加舎白雄」の意味・読み・例文・類語

かや‐しらお〔‐しらを〕【加舎白雄】

[1738~1791]江戸中期の俳人信濃国上田の人。本名吉春別号は、昨烏・白尾坊など。諸国を遊歴し、江戸に春秋庵を開いた。著「面影集」「加佐里那止かざりなし」「俳諧寂栞さびしおり」など。

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精選版 日本国語大辞典 「加舎白雄」の意味・読み・例文・類語

かや‐しらお【加舎白雄】

  1. しらお(白雄)

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朝日日本歴史人物事典 「加舎白雄」の解説

加舎白雄

没年寛政3.9.13(1791.10.10)
生年:元文3.8.20(1738.10.3)
江戸中期の俳人で,与謝蕪村などと共に中興五傑のひとり。幼名五郎吉。本名吉春,また競。平田忠次郎と称したこともある。別号,昨烏,白尾坊,春秋庵など。信濃国(長野県)上田藩士加舎忠兵衛吉亨の次男として,江戸に生まれる。烏明および白井鳥酔門。7年間ほど烏明の松露庵に同居し,修業後,諸国を行脚,明和8(1771)年秋,京において俳論書『加佐里那止』を出し,私意を去り,あるがままに詠むべきことを主張した。安永4(1775)年の鳥酔7回忌法要で,不遜の行いがあったとして烏明から破門され,江戸を退去。同9年,江戸に戻り日本橋に春秋庵を設け,関東を中心に勢力を築き,鈴木道彦,建部巣兆,倉田葛三ら化政期の俳壇に活躍する有力門人を輩出した。作風は,「人恋し灯ともしごろをさくらちる」など,近代的な感覚による自然描写に特色がある。<参考文献>矢羽勝幸『俳人白雄/人と作品』,矢島渚男『白雄の秀句

(加藤定彦)

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「加舎白雄」の意味・わかりやすい解説

加舎白雄
かやしらお

[生]元文3(1738).信濃
[没]寛政3(1791).9.13. 江戸
江戸時代中期の俳人。名,吉春,のち競。通称,五郎吉。一時平田忠次郎と称した。別号,舎来,昨烏,しら尾など。江戸の鴛田青峨 (おしだせいが) ,烏明,白井鳥酔に師事。一時信州に帰り,次いで各地を行脚し,その勢力は関東,信州,奥羽,伊勢に及んだ。安永9 (1780) 年江戸に春秋庵を構え,長翠,道彦,巣兆,碩布,葛三など多くの後進を育てた。作風は技巧を排し平明。編著『加佐里那止 (かざりなし) 』 (71) ,『春秋稿』 (80) ,『寂栞 (さびしおり) 』 (1812) ,『白雄夜話』 (33) など。『白雄句集』 (1793,碩布編) がある。

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「加舎白雄」の解説

加舎白雄 かや-しらお

1738-1791 江戸時代中期の俳人。
元文3年8月20日生まれ。松露庵烏明にまなび,のち烏明の師白井鳥酔に師事する。安永9年(1780)江戸に春秋庵をひらいておおくの門人をそだて,一大勢力をきずいた。寛政3年9月13日死去。54歳。江戸出身。名は吉春。通称は五郎吉。別号に昨烏,露柱庵,春秋庵。著作に「加佐里那止(かざりなし)」「誹諧寂栞(はいかいさびしおり)」など。

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367日誕生日大事典 「加舎白雄」の解説

加舎白雄 (かやしらお)

生年月日:1738年8月20日
江戸時代中期の俳人;中興五傑の一人
1791年没

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「加舎白雄」の意味・わかりやすい解説

加舎白雄
かやしらお

白雄

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世界大百科事典(旧版)内の加舎白雄の言及

【白雄】より

…江戸中期の俳人。姓は加舎(かや),名は吉春,通称は五郎吉。父の祖母方の姓をとり,平田忠次郎と名乗ったときもある。江戸深川の人。生年を1735年(享保20)とする説もある。信濃国上田藩士加舎吉享の次男。5歳で母に死別,13歳で家出したとも,また上野国館林の禅寺で修行したともいうが,不明。俳諧ははじめ舎来と号して青峨に学び,ついで烏明に入門して昨烏(さくう)と号し,その師の鳥酔にも学んだ。1769年(明和6)8月,信州にあって処女選集《おもかげ集》を編纂。…

※「加舎白雄」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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