朝日日本歴史人物事典 「鶴沢友次郎(5代)」の解説
鶴沢友次郎(5代)
生年:文化11.1.14(1814.3.5)
幕末明治期の義太夫三味線の巨匠。本名清水源兵衛。京都の生まれ。8歳のとき4代目野沢喜八郎について小庄となる。5年後に大坂へ下り,2代目鶴沢伝吉(のちの4代目友次郎)の門に入って庄次郎,さらに3代目伝吉と改名。慶応2(1866)年鶴沢の宗家名である友次郎を相続した。明治13(1880)年には一時野沢の宗家名である喜八郎(5代目)をも名乗り,衰微の極にあった野沢一門を繁栄へと導く。鶴沢家特有の数多い秘曲が,その死とともに消滅したのが惜しまれる。<参考文献>松岸園主人「鶴沢友次郎略系譜」(『浄瑠璃雑誌』296号)
(倉田喜弘)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報