フランス女流作家N・サロートの長編小説。1963年刊。同名の架空の小説に対する、中流ブルジョア社交界の多種多様な反応を断片的に羅列することによって、一冊の書物が爆発的流行の対象となっていき、そのあと、しだいに忘れ去られていく集団的無意識心理の推移を分析している。作品自体については、なにひとつわからない。というのも、人物たちは、それが傑作であるかどうかを確かめるよりも、そう信じることを自己の存在の支えとし、その判断を他者に押し付けるという自己欺瞞(ぎまん)にのみ没頭するからである。風向きが変わると、たちまちにして批判の合唱が始まり、作品は忘却の淵(ふち)に投げ込まれる。三島由紀夫の『金閣寺』と争い、フォルメントール賞を得た。
[平岡篤頼]
自動車税は自動車(軽自動車税の対象となる軽自動車等および固定資産税の対象となる大型特殊自動車を除く)の所有者に対し都道府県が課する税であり、軽自動車税は軽自動車等(原動機付自転車、軽自動車、小型特殊自...
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