鳥瞰図(読み)チョウカンズ(その他表記)bird's-eye view

翻訳|bird's-eye view

デジタル大辞泉 「鳥瞰図」の意味・読み・例文・類語

ちょうかん‐ず〔テウカンヅ〕【鳥×瞰図】

高所から地上を見おろしたように描いた図。市街地形などを説明的に描くのに適する。鳥目絵とりめえ俯瞰ふかん図。
[類語]見取り図展開図投影図透視図平面図断面図立面図

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精選版 日本国語大辞典 「鳥瞰図」の意味・読み・例文・類語

ちょうかん‐ずテウカンヅ【鳥瞰図】

  1. 〘 名詞 〙 高所から地上を見おろしたように描いた図。転じて、全体を見渡すような広い視野をもった考え方や文章。鳥目絵(とりめえ)。俯瞰図。
    1. [初出の実例]「社会の出来事は、謂はば永遠の形の下に見た鳥瞰図(テウカンヅ)になって、新聞を飾るだらう」(出典:青年(1910‐11)〈森鴎外〉一三)

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改訂新版 世界大百科事典 「鳥瞰図」の意味・わかりやすい解説

鳥瞰図 (ちょうかんず)
bird's-eye view

鳥の眼に写る景色さながらに,高みから見おろしたように描いた図。記号図式によって地形・地物を描く近代地図の出現前に,絵画手法で特定地域の状況,たとえば地形や耕地集落道路・水路,境界などを示したのがはじまりで,ヨーロッパでとくに発達した都市鳥瞰図のような大縮尺図から,日本の荘園図あるいは国絵図のようなかなりの広域を扱ったものまで,中世以降各種各様の鳥瞰図が作成された。わかりやすいため,今日でも主として旅行者や観光客相手の案内図として作られており,絵画またはデザインとしての鑑賞価値の高いものもある。また鳥瞰図ではしばしば,1枚の図の中に異なった視角・視点からの眺めが合成されていたり,地形・地物の位置関係をわざとゆがめて,写真では写しえないものまでも描き出す,といったくふうがみられる。一方19世紀末以来,地図学者や地形学者の手で,立体図式と総称される新しい鳥瞰図が案出された。その一つ,ブロックダイヤグラムは,正確な地形図を基図として地形・地物を俯瞰的に立体化した一種の透視図で,原則として高さの誇張以外の歪曲は与えず,またしばしば図の側面あるいは内部に設けた切断面に,地質構造を示す。地形の成因発達過程を示すのが目的なので,仮想的に作画される場合もある。またランドフォームマップは,いくつかに分類された地形のタイプを絵画的に記号化し,それらを地図上に並べることによって,地形分類と地形区区分の結果を図示したものである。さらに最近ではコンピューターグラフィックスの手法を使い,地形図から直接任意の視点からの鳥瞰図が作られている。各種のデータを数値化して入力するもので,コンピューター・マップとも呼ばれる。作図作業が自動化・省力化され精度の向上などの利点がある。また,視点の変化や対象の移動・回転などにより実際にはありえない角度からの図も得られ(例えば地下に視点を置くなど)いろいろな研究や表現に利用されている。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「鳥瞰図」の意味・わかりやすい解説

鳥瞰図
ちょうかんず

地表面を上空から斜めに見下ろしたようすを図に描いたもの。俯瞰図(ふかんず)ともいう。起伏のある土地に用いることが多い。立体感や遠近感がよく表され、土地の状況を把握しやすい。しかし、地図のように、距離、方向や面積を正しく読み取ることはむずかしい。また、遠方ほど省略されたり、山や丘の向こう側が表現されないという欠点もある。建物や樹木なども実物に近い形に絵画的に描かれることが多く、観光案内図などに用いられる。

[五條英司]

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百科事典マイペディア 「鳥瞰図」の意味・わかりやすい解説

鳥瞰図【ちょうかんず】

bird's-eye viewの訳で,鳥の目で斜め上方から見おろしたような立体的地図または風景図。おもに地形,集落,道路,境界などを示すため,近代的地図の手法が生まれる前に多く作成された。とくにヨーロッパでは中世以降,都市鳥瞰図が多く作られた。19世紀末以降,地形を俯瞰的に立体化したブロックダイヤグラムの方法が発達。さらにコンピューター・グラフィックスによりさまざまな表現が試されるようになった。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「鳥瞰図」の意味・わかりやすい解説

鳥瞰図
ちょうかんず
bird's-eye view

高い視点位置からの透視図で,ちょうど鳥が高いところから地上を見おろすように,高い視点から見おろしたように描いた図をいう。広い空間にあるさまざまな物体の相互関係を写実的に説明できる。現在のような真上から見おろした形に表わす地図の形が定着する前の,1600~1800年代ヨーロッパでは,鳥瞰図による市街図がよく作成された。

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家とインテリアの用語がわかる辞典 「鳥瞰図」の解説

ちょうかんず【鳥瞰図】

上空から斜めに見下ろしたように描いた図。立体感や遠近感がよく表される。◇「バーズアイビュー」ともいう。

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