黒谷青龍寺(読み)くろだにせいりゆうじ

日本歴史地名大系 「黒谷青龍寺」の解説

黒谷青龍寺
くろだにせいりゆうじ

[現在地名]大津市坂本本町

西塔北谷にあり、大黒天出現の地という伝承から黒谷とよばれ、比叡山五別所(ほか東塔東谷神蔵寺・横川兜率谷霊山院・同香積寺・横川飯室谷帝釈寺)の一つ。開基は慈恵大師良源と伝えるが(山門堂舎由緒記)、谷が深いので世俗を避ける隠遁者の住処とされていた。久安六年(一一五〇)法然が一八歳の時、当寺を訪ねて叡空の門に入り、それ以来何度か求道の旅に出るものの、四三歳まで長くここに隠棲し、のちの鎌倉浄土教確立の基礎を固めたことはよく知られる。また室町時代には天台真盛宗の開祖真盛が文明一五年(一四八三)四一歳の春、当寺に隠遁し念仏法門を修学している(真盛上人往生伝記)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報