鼓膜炎(読み)コマクエン(英語表記)Myringitis

デジタル大辞泉 「鼓膜炎」の意味・読み・例文・類語

こまく‐えん【鼓膜炎】

鼓膜炎症。鼓膜が充血し、うみ汁がたまることがある。

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精選版 日本国語大辞典 「鼓膜炎」の意味・読み・例文・類語

こまく‐えん【鼓膜炎】

  1. 〘 名詞 〙 寒冷、薬物刺激、インフルエンザなどが原因で起こる鼓膜の炎症。水疱ができ、耳がふさがったような感じや異物感がある。〔医語類聚(1872)〕

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六訂版 家庭医学大全科 「鼓膜炎」の解説

鼓膜炎
こまくえん
Myringitis
(耳の病気)

どんな病気か

 外耳と中耳の境界である鼓膜に、限局した炎症が起きている状態です。鼓膜に水疱(すいほう)の生じる水疱性鼓膜炎と、肉芽(にくげ)びらんの生じる肉芽腫性(にくげしゅせい)鼓膜炎に分けられます。

 子どもよりも20~40代の成人女性に多く、両側の耳に起こることはまれです。

 中耳炎(ちゅうじえん)と似た症状ですが、耳鼻咽喉科専門医の診察を受け、顕微鏡ファイバースコープで鼓膜を拡大して診察を受ければ、容易に診断できます。

菅澤 正

出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報

家庭医学館 「鼓膜炎」の解説

こまくえん【鼓膜炎 Myringitis】

[どんな病気か]
 鼓膜に炎症がおこる病気です。
 この病気が単独におこることは比較的少なく、多くは、かぜなどにともなっておこります。
 もっとも多いのはインフルエンザにともなう急性の鼓膜炎で、耳鏡(じきょう)で観察すると、鼓膜は出血性に赤くなり、さらに小水疱(すいほう)(小さな水ぶくれ)、水疱が生じます(水疱性出血性鼓膜炎)。慢性に移行すると、びらん(ただれ)を生じ、肉芽(にくげ)(結合組織)が発生することがあります。
[症状]
 病気の程度に応じて、軽度の難聴(なんちょう)、耳の痛み、耳だれ耳漏(じろう))、耳鳴りなどが生じます。
[治療]
 急性の場合は、必要に応じて、鼓膜を切開したり、水疱をつぶしたりします。
 慢性の肉芽は、鉗子(かんし)で取り除いたり、薬で焼きつぶしたりしますが、治りにくいことが多いものです。

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世界大百科事典(旧版)内の鼓膜炎の言及

【鼓膜】より

…慢性中耳炎では鼓膜に穴(穿孔(せんこう))があり,手術でふさぐ必要がある。鼓膜に病気が限局してあるとき鼓膜炎とよぶが,耳からの排膿(耳だれ)がつづき,中耳炎と区別しにくい。なお昆虫の鼓膜器官については〈弦音器官〉の項参照。…

※「鼓膜炎」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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