外耳道から出てくる液体状のもので、一般には耳だれということが多い。多くの場合は中耳炎や外耳炎などによる病的なものであるが、ときには耳垢(じこう)(耳あか)が軟らかで黄褐色の耳漏として流れ出ることもあり、これは体質によるもので病気ではない。
びまん性外耳道炎や外耳道湿疹(しっしん)では比較的さらさらした漿液(しょうえき)性の耳漏が多い。外耳道せつが自潰(じかい)したときや化膿(かのう)性外耳道炎のときは膿性の耳漏が出る。
中耳炎で耳漏が出るのは通常は鼓膜が破れ、穿孔(せんこう)して出てくるので、鼓膜穿孔のない場合には耳漏は出ない。耳漏の性質や量は炎症の程度や病期によって種々さまざまである。とくに注意しなければならないのは悪臭のある耳漏で、真珠腫(しんじゅしゅ)性中耳炎が多い。ときには中耳の癌(がん)のこともある。血性のものはインフルエンザ性中耳炎のほか、外傷や中耳の癌のことがある。耳漏の量の多少は病気の軽重の指標にはかならずしもならないが、非常に多い場合は乳突洞炎などを併発している可能性がある。
[河村正三]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
… 鼓膜に穴(穿孔(せんこう))があって閉じないときは,慢性中耳炎とよばれる。難聴と耳からの排膿(耳漏,みみだれ)がみられるが,痛みはほとんどない。鼓膜の穿孔だけの場合は慢性化膿性中耳炎,穿孔部から外耳の皮膚が中耳に入りこむと慢性真珠腫性中耳炎とよぶ。…
…中耳に炎症がおこり,乳様突起の蜂巣にも炎症がおよぶと,単なる中耳炎より治りにくく,症状や治療法もかわってくるので,中耳炎と区別してこの名称がある。急性乳様突起炎(または乳突洞炎)では,急性中耳炎のあと鼓膜の穿孔(せんこう)から耳漏(耳だれ)が止まらず,耳のレントゲン写真で乳突蜂巣部に骨の変化がみられる。炎症がつよいと,外耳道がはれたり,耳介がもち上がったり,発熱がみられる。…
…耳から出てくる液体,あるいは液体の出てくる状態を指し耳だれ,あるいは耳漏(じろう)という。外耳道または中耳の病気の症状であることが多い。…
※「耳漏」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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