青森県北西部、津軽半島(つがるはんとう)北端の岬。東津軽郡外ヶ浜町(そとがはままち)三厩龍浜(みんまやたつはま)に属す。半島の脊梁(せきりょう)をなす津軽山地が岬まで延び、付近は標高約100メートルの台地で、急崖(きゅうがい)をなして海に落ちている。台地上には龍飛埼灯台がある。崖下の狭い海辺に竜飛の集落があり、漁家が密集している。イカ漁をはじめ、コンブ、アワビとりなどに依存し、イカ漁の最盛期には道路沿いがイカのカーテンで覆われる。竜飛集落には、太宰治(だざいおさむ)の小説『津軽』の一節を刻んだ文学碑がある。竜飛海岸遊歩道もあり、一帯は津軽国定公園の一部。なお、1971年(昭和46)以来、青函トンネル(せいかんとんねる)(1988年開通)の本州側の工事基地が置かれていた。JR津軽線三厩駅からバスの便がある。
[横山 弘]
出典 日外アソシエーツ「事典・日本の観光資源」事典・日本の観光資源について 情報