バンリュウガン(読み)ばんりゅうがん

日本大百科全書(ニッポニカ) 「バンリュウガン」の意味・わかりやすい解説

バンリュウガン
ばんりゅうがん / 蕃竜眼
[学] Pometia pinnata Forst.

ムクロジ科(APG分類:ムクロジ科)の常緑中高木。マトア、タウン、カサイノキ、フィジーロンガンともいう。葉は偶数羽状複葉で長さ約30センチメートル、小葉は4~9対で、若葉は桃色。雌雄異花で、円錐(えんすい)花序をつくり、径3ミリメートルの白色花を開く。花弁萼片(がくへん)ともに4、5枚。雌花は少ない。果実は球形から楕円(だえん)形で径2.5~4センチメートル。果皮は薄く、もろい。果肉は白色で半透明、甘味と酸味がほどよく調和し、美味である。台湾、フィリピン、マレーシア、フィジー諸島、ポリネシア原産。種子は焼いて食べ、樹皮は皮膚病に効き、材は建築、船材などに用いる。街路樹としても美しい。繁殖は実生(みしょう)により、開花結実まで数年から10年要する。

[飯塚宗夫 2020年9月17日]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

選挙公営

国または地方公共団体が個々の候補者の選挙費用の一部または全額を負担すること。選挙に金がかかりすぎ,政治腐敗の原因になっていることや,候補者の個人的な財力によって選挙に不公平が生じないようにという目的で...

選挙公営の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android