井上 菊次郎(3代目)(読み)イノウエ キクジロウ

新撰 芸能人物事典 明治~平成 「井上 菊次郎(3代目)」の解説

井上 菊次郎(3代目)
イノウエ キクジロウ


職業
能楽師(和泉流狂言方)

専門
狂言

肩書
狂言共同社代表

本名
井上 重兵衛

旧名・旧姓
井上 松次郎

生年月日
大正3年 1月7日

出身地
愛知県 名古屋市

経歴
名古屋・大須の仏具店の11代目主人。祖父初代井上菊次郎から手ほどきを受け、5歳のときに初舞台。のち名古屋狂言共同社を継承。平成9年3代目菊次郎を襲名。名古屋の狂言師第一人者として後継者育成に尽力した。

所属団体
日本能楽会

受賞
勲五等双光旭日章〔昭和63年〕 名古屋演劇ペンクラブ年間賞特別賞〔平成5年〕

没年月日
平成11年 10月18日 (1999年)

家族
祖父=井上 菊次郎(初代),息子=井上 菊次郎(4代目)


井上 菊次郎(初代)
イノウエ キクジロウ


職業
能楽狂言方(和泉流)

本名
井上 重兵衛

生年月日
弘化3年 9月15日

出生地
名古屋

経歴
4代目早川幸八に師事。嘉永6(1853)年尾張城内の舞台につとめる。その後家業の仏具商を営む傍ら稽古に励み、明治17年3月早川幸八ら3師追善狂言会に「釣狐」をつとめる。24年狂言共同社を結成。41年家元山脇元清から早川忠三郎名儀の相続を許されるが実際には用いなかった。晩年は家業を嗣子の2代目菊次郎に譲り、東京に出て狂言に専念。大正5年4月皇居内舞台での天覧能に「宗論」のシテをつとめるなど、狂言界の重鎮として活躍。老齢になってもなお華やかさの失せない芸風で、太郎冠者物に適し、なかでも「寝音曲」を得意とした。

没年月日
大正9年 9月21日 (1920年)

出典 日外アソシエーツ「新撰 芸能人物事典 明治~平成」(2010年刊)新撰 芸能人物事典 明治~平成について 情報

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