東寺口(読み)とうじぐち

日本歴史地名大系 「東寺口」の解説

東寺口
とうじぐち

いわゆる「京都七口」の一つ。西国さいごく街道(現国道一七一号線)から洛中に入る入口、西大宮尻(現唐橋大宮尻町付近か)辺りに位置したとされるが明確でない。

文安二年(一四四五)五月の祇園ぎおん社駕輿丁蛤売訴状案(建内文書)に「今度さいか殿号上意、東寺口之新関おすゑ、結局於在々所々神人売物お任雅意押取事、難之中難不之候」とみえるのが早い例で「新関」と記されるのでこの頃設けられたものか。

東寺口は京都の攻防をめぐる争いの中で、しばしば重要な戦略地点の一つとされた。天文元年(一五三二)法華一揆と一向一揆の衝突に際しては、八月一九日、西岡にしのおか(現西京区)本願寺門徒を破った法華勢は東寺口を固めたことが「二水記」にみえている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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