緋のかぶら漬け(読み)ひのかぶらづけ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「緋のかぶら漬け」の意味・わかりやすい解説

緋のかぶら漬け
ひのかぶらづけ

愛媛県の郷土料理。江戸時代、蒲生忠知(がもうただとも)が松山藩主に転封になったとき、先祖の地・近江(おうみ)国(滋賀県)蒲生郡日野産のカブヒノナ)を移植したのが、この地方の地味に適して優秀なものができて名物になった。このヒノカブラ3.75キログラムを水洗いして、塩0.2リットルを加えて粗漬けにする。5~6日後にカブを縦3センチメートルぐらいの厚さに切り、塩0.1リットルを追加し、ダイダイ絞り汁(カブ1個に対しダイダイ1個の割合)と砂糖などを加えて2日くらい置くと、カブの周囲紫色に、中は赤色に変わる。家庭でも漬けるが、市販品も出回っている。

多田鉄之助


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

日本の郷土料理がわかる辞典 「緋のかぶら漬け」の解説

ひのかぶらづけ【緋の蕪漬け】


愛媛県松山市特産の漬物で、赤かぶを厚さ5mmほどの輪切りにして塩漬けにしたあと、だいだい酢と砂糖などを合わせた漬け床に漬け込んだもの。だいだい酢の作用で、中まで鮮やかな緋色に染まって漬かる。

出典 講談社日本の郷土料理がわかる辞典について 情報

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