阿津村(読み)あつむら

日本歴史地名大系 「阿津村」の解説

阿津村
あつむら

[現在地名]岡山市阿津

小串こぐし村の西、北は児島湾に面する。文安二年(一四四五)の「兵庫北関入船納帳」によると、米を積んだ「小嶋阿津」からの船が兵庫北関へ入津している。古くは現在地の南西山麓にあり、地先の湾内が浅くなって漁業ができなくなったため、近世初頭に現在地へ移ったと伝える。

元和三年(一六一七)児島郡物成帳には「安津村」とあり、田畠高三八〇石余・加子米二五石とある。寛永備前国絵図では高三三九石余。正保郷帳には「厚村」と記す。「備陽記」では田畠三一町八反余、家数二五八・人数一千二六四。文化年間の「岡山藩領手鑑」によると高三三九石余、直高四八一石余で蔵入、田一〇町三反余・畑一九町三反余、池一一、樋二九、井戸一四、石橋五、家数二八四・人数一千三二七、寺二・社家四、牛一三、紺屋三軒(藍瓶三本)・鍛冶屋一軒、船大工二三、家大工・桶屋各八、医者・石工各二、左官一。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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