ALM(読み)エーエルエム(英語表記)asset and liability management

デジタル大辞泉 「ALM」の意味・読み・例文・類語

エー‐エル‐エム【ALM】[assets and liabilities management]

assets and liabilities management資産負債総合管理銀行の資金管理手法の一。1970年代の中頃米国の銀行が始めたもので、将来金利為替利回りなどを予測し、資産負債バランスをとりながら収益増大しようとする技法。特に金利リスク信用リスクなどのリスク管理特色がある。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

知恵蔵 「ALM」の解説

ALM

資産と負債の構成、例えば銀行であれば、全ての預金や貸し出しの金利・期間を把握し、将来の公定歩合等の変動を予測し、それを踏まえた上で、リスクの最小化と収益の極大化を図るリスク管理の手法。1970年代に米国で普及したが、金利自由化による金利変動の影響やデリバティブ取引の拡大によるマーケット・リスクの増大を背景に、日本でも金融機関を中心にその重要性が高まっている。ALMが管理するリスクにはマーケット・リスク、流動性リスク、信用リスク等がある。日本の銀行の場合、ALMはバンキング勘定の金利リスク管理を中心に用いられてきた。しかし、近年では、大手行を中心に、トレーディング、バンキング両勘定のマーケット・リスク、信用リスク等を一括管理する統合リスク管理の導入に取り組み始めている。

(吉川満 (株)大和総研常務理事 / 2007年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ALM」の意味・わかりやすい解説

ALM
エーエルエム
asset liability management

資産・負債総合管理。アメリカの大手商業銀行で開発された銀行財務におけるダイナミックな資産・負債管理手法のこと。資金の調達・運用に伴うリスクを信用リスク,流動性リスク,金利変動リスクに区分し,その上で銀行全体から見たリスク・ポジションに焦点を当て,金利,為替,利回り変動予測に基づき,将来的な資産と負債バランスの適性化に留意しつつ,総合的に管理していくことで収益最大化を図る手法。金利自由化の進展や金融の国際化が激化した結果,ALM導入機運が高まり,特に 1980年代後半には ALMのシステム化,効率化が進んだ。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のALMの言及

【ザルツブルク[州]】より

…林業・製材業が発達する。アルプスの風物詩アルムAlm(夏季だけの高原牧場)も,その経済的意義は低下しつつある。これに代わって観光収入の比重が高まり,諸州の中でチロルに次ぐ多くの観光客を集める。…

※「ALM」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

大臣政務官

各省の長である大臣,および内閣官房長官,特命大臣を助け,特定の政策や企画に参画し,政務を処理する国家公務員法上の特別職。政務官ともいう。2001年1月の中央省庁再編により政務次官が廃止されたのに伴い,...

大臣政務官の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android