CASE(読み)ケース

デジタル大辞泉 「CASE」の意味・読み・例文・類語

ケース【CASE】[computer-aided software engineering]

computer-aided software engineeringコンピューター支援ソフトウエア工学。コンピューターを利用して、ソフトウエアの設計開発を効率よく行うことを目的とする。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

共同通信ニュース用語解説 「CASE」の解説

CASE

自動車の主な次世代技術総称。車を通信でつないでサービスを提供する「接続性」、事故防止や運転手の負担軽減に役立つ「自動運転」、ライドシェア(相乗り)などの「共同所有」、電気自動車(EV)などに不可欠な「電動化」の四つの英語の頭文字を並べた。現在主流のガソリン車の部品は約3万点だが、構造が単純なEVでは1万~2万点に減るほか、必要な部品の種類も変化が生じており、部品メーカーは対応を迫られている。

更新日:

出典 共同通信社 共同通信ニュース用語解説共同通信ニュース用語解説について 情報

知恵蔵 「CASE」の解説

CASE

Connected(コネクテッド)、Autonomous/Automated(自動化)、Shared/Services(カーシェアリングとサービス)、Electric(電動化)の頭文字をとった造語で、自動車の概念を大きく変える技術革新を示す。CASEは、ダイムラー社のディーター・ツェッチェ会長(当時)が、2016年のパリモーターショーで発表した中長期戦略で提唱したのが始まりとされている。
CASEの「Connected」では、IoT(モノのインターネット)で自動車をインターネットにつなぎ、車両の状態や、周囲の道路状況などのデータを取得・分析することで、自動車の新たな価値を生み出す。トヨタでは、19年11月より、ワイパーの稼働状況データを実際の気象データと照らし合わせ、雨雲レーダーだけでは分からない降水状況を把握するための実証実験を行っている。
「Autonomous/Automated」は自動運転を指す。日本では、自動運転のレベルを0~5で定義しており、レベル3以上なら自動運転と呼べる。レベル3は、高速道路などの条件のもとで自動運転を行い、緊急時には人間が運転を行う「条件つき運転自動化」とも呼ばれるレベルで、トヨタ・日産では、レベル3の実現時期を2020年に設定している。
「Shared/Services」は、自動車の稼働状況を管理して、貸し借りや共有を行うこと、また、それらに関するサービスなどを指す。自動車を個人で所有することがなくなれば、自動車の維持費や駐車場の確保などといった経済的な負担も軽減される。
「Electric」は、電気自動車(EV)や、外部から充電できるプラグインハイブリッド(PHV)に代表される電動モーターで駆動する自動車のことで、自動車の電動化を指す。ヨーロッパ諸国の一部や中国では、ガソリンディーゼルで駆動する自動車の新たな販売の禁止政策を進めている。

(横田一輝 ICTディレクター/2019年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「CASE」の意味・わかりやすい解説

CASE
けーす

100年ぶりとされる自動車の大きな技術革新や新ビジネス創出のトレンドを表す概念。Connected(インターネットとの接続)、Autonomous(自動運転)、Shared&Services(シェアリング&サービス)、Electric(電動化)の頭文字をつなげた造語である。2016年、ダイムラー会長であったツェッチェDieter Zetsche(1953― )が提唱した。ネット接続(C)では走行・故障・混雑・天候などのデータを収集・分析して運行や物流の効率を上げ、自動運転(A)では運転手不足の解消や過疎地などでの輸送サービス提供をめざす。シェアリング&サービス(S)では車の共有・貸し借りにより維持費や駐車場料金などの負担軽減につなげ、電動化(E)ではエンジンではなく電動モーターの利用で地球温暖化対策を進める。CASEは新ビジネスを生み出し、移動や社会のあり方を変革する可能性を秘めているが、次世代蓄電池やセンサーなど開発すべき技術群が膨大で、自動運転などに関する法整備も課題である。巨額の投資・開発費がかかり、自動車産業を中心に企業の業種や国境を越えた合従連衡(がっしょうれんこう)が進むとみられている。

[矢野 武 2021年9月17日]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

百科事典マイペディア 「CASE」の意味・わかりやすい解説

CASE【ケース】

computer aided software engineeringの略で,コンピューター支援ソフトウェア工学とも。ソフトウェアの開発において,要求分析から設計,保守まで全面的にコンピューターを利用することで,生産性や品質の向上,開発期間の短縮などを目指す。開発過程で生成されるデータ,プログラム,文書などを標準化して共通のデータベースに蓄積し,閲覧や再利用を容易にすることが必要。

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

ASCII.jpデジタル用語辞典 「CASE」の解説

CASE

ソフトウェアの開発を容易にするための技術の総称で、エディターやデバッガーなどのソフトウェア開発支援ツールの開発や、必要な情報を与えるだけで自動的に目的のプログラムを作成するプログラムの開発などが含まれる。

出典 ASCII.jpデジタル用語辞典ASCII.jpデジタル用語辞典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のCASEの言及

【ソフトウェア工学】より

… ソフトウェア開発をコンピューターシステムで支援することが1980年代から盛んになった。これをCASE(Computer Assisted Software Engineering)とよぶ。それぞれの仕様書の図面や文書の作成や,データベース管理をコンピューター上で支援する。…

※「CASE」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android