出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
…まずプロピレンをオキソ法によってn‐ブチルアルデヒドに変え,そのアルドール縮合反応によって2‐エチルヘキセナールを得てのち,さらに水素化反応を行う。すなわち2‐エチルヘキサノールは有用な高級アルコールであり,たとえば無水フタル酸との反応でフタル酸ジ‐2‐エチルヘキシルが得られるが,この化合物はDOP(フタル酸ジオクチルdioctyl phthalateの略称)として知られる優れた可塑剤であり,プラスチック工業には欠かすことのできない添加剤である。 オキソ反応は均一系触媒系を用いる高温・高圧の反応であり,初期にはコバルト触媒が用いられたが,ロジウムやルテニウムの化合物も含めて,触媒の改良が進み,反応条件はしだいに温和になり,生成物の分布も改善されて今日に至っている。…
…このように可塑剤を添加することによって,高分子の特性は大きく改良され,かつ用途も大きく広がる。 ポリ塩化ビニルの可塑剤としてよく用いられるのは,フタル酸ジオクチルdioctyl phthalate(DOP),フタル酸ジブチルdibutyl phthalate(DBP)などのフタル酸エステル類である。可塑性のほか,難燃性や耐油性を改良するため,リン酸トリクレシルtricresyl phosphate(TCP)などのリン酸エステルも用いられる。…
※「DOP」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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