オキソ法(読み)オキソほう(英語表記)oxo process

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「オキソ法」の意味・わかりやすい解説

オキソ法
オキソほう
oxo process

オキソ合成 oxo synthesis,ヒドロホルミル化 hydroformylationともいう。オレフィンと一酸化炭素と水素を触媒の存在下に反応させて,もとのオレフィンよりも炭素数が1個多い飽和アルデヒド合成する方法。通常,この反応ではアルデヒドは続いて水素化されてアルコールに変化するので,アルコール生成の工程までを含めて,オキソ法 (または合成) ということもある。

RCH=CH2+CO+H2→RCH2CH2CHO→RCH2CH2CH2OH

および,

RCH=CH2+CO+H2→RCH(CHO)CH3→RCH(CH2OH)CH3

のように反応は進行する。この反応は温度 120~200℃,圧力 100~300気圧でコバルト触媒存在の条件下で C2~C15 の末端オレフィンに適用。 H2 の代りに H2O ,R'OH ,NH3 などを作用させると,アルデヒドに対応した酸 RCH2CH2COOH ,エステル RCH2CH2COOR' ,酸アミド RCH2CH2CONH2 を生じる。オキソ法はドイツの O.レーレンにより発見され (1938) ,第2次世界大戦の戦中戦後ドイツにおいて,戦後はアメリカイギリス日本などで工業化されており,高級アルコールの合成法として重要であった。近年はロジウム系触媒を用い,上記より温和な反応条件下で工業的に実施されている。

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