政府、企業、団体、個人などが達成すべき最終目標を定量的に表した指標。経営学から発生した概念で、何をもって目標達成のゴール(成果)とみなすかを重視する考え方から生まれた用語である。英語のKey Goal Indicatorの略で、日本では「重要目標達成指標」「経営目標達成指標」と訳されることが多い。KGIは「1年後の売上高100億円」「3年後の市場シェア30%」「5年後の留学生1万人」など、いつまでにどの程度の成果をあげるかを具体的に判別できる数値が選択される。「売上げを伸ばす」「業界で確固たる地位を築く」「グローバル時代を切り開く学生を育てる」など抽象的な理念や目標は数値化できないためKGIにそぐわない。
経営学では、最終目標としてのKGIを決め、その目標を実現する手段としてCSF(主要成功要因)を選択し、正しく目標に向かって手段が機能しているかどうかを、途中段階で定期的にKPI(重要業績評価指標)で点検する手法をとる。たとえば、KGIとして「3年後の業界シェア25%」という目標を設け、CSFとして新製品発売を選択し、KPIとして日次や月次の顧客の引き合い件数をチェックするという手法がとられる。一般に、KGIとしては半年、1年、5年などの長期目標を設定することが多く、日次、週次、月次などの短期間の目標を設定するKPIとは異なる。日本では2000年代以降、大企業を中心に、企業活動を(1)財務、(2)顧客、(3)業務プロセス、(4)人材の学習と成長、の4点から評価するBSC(バランス・スコアカード)という経営手法がとられるようになった。BSCでは、KGI達成のため、KPIやCSFを設定し、繰り返し点検する手法がとられる。
[矢野 武 2016年4月18日]
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