日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
MMF(Money Market Fund)
えむえむえふ
Money Market Fund
アメリカで広く普及している貯蓄性の短期投資信託。格づけの高い短期国債や社債で運用しており、日本の銀行預金のように安全な金融商品とみなされていた。だが2008年9月のアメリカ大手証券会社リーマン・ブラザーズの破綻(はたん)で、同社の社債を組み込んだ大手運用会社リザーブ・マネジメント社のMMFが元本割れし、取り付けさわぎが起き、信用が大きく揺らいだ。このためアメリカ財務省はMMFの元本を保証する制度を導入した。MMF残高は2008年秋頃に約3兆7000億ドルあったとされるが、投資家の解約が相次ぎ、一時は5000億ドルを超える資金が流出したという。この際、投資家やファンドが一斉に現金化したため、短期金融市場はドル資金が枯渇する事態に陥った。
日本では外貨MMFの名称で、国内証券会社や銀行が取り扱っている。外国為替(かわせ)変動リスクがあるが、外貨預金と違って為替差益に税金がかからず、為替手数料も安い傾向にある。日本国内の短期性債券を中心に運用する公社債投資信託、マネー・マネジメント・ファンド(MMF)とは別の金融商品。
[編集部]
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