暗号資産(仮想通貨)で使われるブロックチェーン(分散型台帳)技術を活用し、複製や改ざんが不可能なデジタルデータ。英語の「Non―Fungible Token(代替不可能な証拠)」の略称で、所有者や販売履歴が記録されることで希少性を担保できる。絵画や画像のデジタルデータが「NFTアート」として売買されることもあり、スポーツ界では昨年に米大リーグ、エンゼルスの
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あるものが本物であると、デジタル情報を活用して証明するデータ、あるいはその技術。「かわりのものがない印・証拠」という意味の英語non-fungible token(非代替性トークン)の頭文字からとった略称である。暗号資産(仮想通貨)の基盤技術であるブロックチェーン(分散型台帳)を情報管理に活用することで、作成者、購入者、取引履歴などを記録して所有権を明らかにするとともに、通常のデジタル情報の場合には容易な複製や改竄(かいざん)を困難なものにできる。いわば、それがたった一つしかないことを証明するデジタル版鑑定書である。本物であると簡単に証明できるうえ、仮想空間での取引との親和性が高いため、NFTをつけてデジタル動画・画像を売買する動きが急速に拡大。対象は美術品、スポーツ、アニメ、ゲーム、音楽、放送番組などのデジタル動画・画像だけでなく、唯一性を証明できるため、チケット、ドメイン、トレーディング・カード、アイドルなどの希少収集品(コレクターズ・アイテム)にも広がっている。
技術自体は2010年代から存在したが、2021年3月、イギリスの著名競売会社のオンラインセールでNFTつきのデジタルアートが6935万ドル(約75億円)で落札され、世界的に関心を集めるようになった。デジタル作品を売買する「オープンシーOpenSea」「ラリブルRarible」「スーパーレアSuperRare」といった取引所(マーケットプレース)も相次いで登場。NFT情報を提供するサイト「NonFungible.com」によると、2021年のNTF市場は176.9億ドル(約2兆円)に達した。一方で、第三者が作成者に無断でNFTつきのデジタル情報を売買する悪質な例も出ており、作成者や消費者の権利保護、安全に取引できる市場ルールの整備、現実世界を対象とした現行法制度との調整、NTF分野の専門家育成などの課題がある。
[矢野 武 2022年10月20日]
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