PC-9801(読み)ぴーしーきゅうせんはっぴゃくいち

日本大百科全書(ニッポニカ) 「PC-9801」の意味・わかりやすい解説

PC-9801
ぴーしーきゅうせんはっぴゃくいち

日本電気NEC)から発売されたパーソナルコンピュータ(パソコン)。9801をきゅうはちぜろいち、きゅうはちまるいちとも。1982年(昭和57)発売の後、技術の進歩に合わせて機能やハードウェアを拡張しながら、さまざまなバージョン、シリーズを形成した。また、1989年に発売されたPC-9801Nを初代とするノートパソコン(98NOTE)も、以後10年以上にわたって多くの製品が提供された。マイクロソフトMS-DOSオペレーティングシステムOS)とするMS-DOSマシンとしては、ビジネスユース、個人ユースを問わず、日本国内でもっとも普及したパーソナルコンピュータである。

 日本向けに特化したマシンとして一世を風靡(ふうび)したが、1990年(平成2)ころから日本語表示機能をもったAT互換機、いわゆるDOS/Vマシンという世界標準規格の日本上陸や、機種を問わないマイクロソフトのWindows OSの登場でしだいに日本国内の標準機という役割を終え、次世代機に道を譲っていった。PC-9801の名を冠した製品としては1995年発売のPC-9801BX4などが最後になり、その後もビジネスシーンでは長く使われたが、2003年に生産を終了した。

[編集部]

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事典 日本の地域遺産 「PC-9801」の解説

PC-9801

(山形県米沢市下花沢2-6-80 NECパーソナルコンピュータ(株)米沢事業場)
情報処理技術遺産指定の地域遺産。
1982(昭和57)年日本電気(NEC)が発表した卓上型16ビットパソコンでPC-9800シリーズの初代機。ビジネス市場を中心に広く受け入れられ、ISV(独立系ソフトウェア会社)、IHV(独立系周辺機器会社)、出版社、ソフト流通業、販売店、システムハウスなどパソコン産業というべき産業構造の形成に大きく寄与した

出典 日外アソシエーツ「事典 日本の地域遺産」事典 日本の地域遺産について 情報

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