ROI(読み)アールオーアイ(その他表記)return on investment

デジタル大辞泉 「ROI」の意味・読み・例文・類語

アール‐オー‐アイ【ROI】[return on investment]

return on investment》投資額に対し、一定期間に稼いだ収益割合企業収益性を測る指標一つで、数字が大きければ収益性が高くなる。税引き後の営業利益を投下資本で除して表す。投下資本利益率投資対効果投資収益率ROIC(return on invested capital)。→EBITDAイービットディーエーROEアールオーイー

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

知恵蔵 「ROI」の解説

ROI

投資額に対して、どれだけ利益を生み出せるかの比率。ROIが高いほど投資効率が高く、有利な投資ということになる。投資の最低条件は、ROIが資本コストより高いことである。投資に必要な資本を調達する時、その提供者には、会社はそれに見合った報酬を出さなくてはならない。提供額に対するその比率が資本コスト(%)であるから、会社としてはそれを上回る利益率を上げなくてはならない。その投資による儲かり方の程度を表す指標がROI。ただし、ROI自体は本来、個別の投資案件ごとに測定されるもので、その個々数値株主や投資家が知ることはできない。この意味で、経営分析で利用される総資本利益率などの財務比率は、そのままROIの大きさを表すものではないが、企業が全体としてどの程度の利益率を達成しているかをうかがい知ることはできる。分子経常利益分母総資本としたものを総資本経常利益率と呼び、資本の利用効果率を示す重要な指標である。高度成長期には、製造業のROIは5%前後で推移していたが、景気後退により、1992年度以来2%台程度にとどまっていた。その後2003年度は3.47%、04年度は4.29%まで回復した。ROIの他に株主資本利益率(ROE)と呼ばれるものもあり、株主に帰属する利益の獲得の効率性を意味している。特に米国では経営者の能力を表す重要な指標とされる。

(小山明宏 学習院大学教授 / 2007年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

DBM用語辞典 「ROI」の解説

リターン・オン・インベストメント【ROI Return on Investment】

企業の収益性を判断する基本的な経営指標。企業資本がどのように効率的に運用されたかを示す百分比である。利益/資本×100で算出される。ダイレクト・マーケティング計画の妥当性を調べるのにROIを計算することが多い。つぎのような等式を使用して算出できる。平均注文金額(アベレージ・オーダー・サイズ−AOS)に粗利益率を乗算し、その数値を1注文獲得当たり費用(CPO)で除算する。

出典 (株)ジェリコ・コンサルティングDBM用語辞典について 情報

ブランド用語集 「ROI」の解説

ROI

ROIとはreturn on investmentの略で、投資した資本に対して得られた利益のことを指す。資本利益率やIRR(内部収益率)、NPV(割引現在価値)などさまざまな指標がある。

出典 (株)トライベック・ブランド戦略研究所ブランド用語集について 情報

世界大百科事典(旧版)内のROIの言及

【王】より

…これらは,語源のうえからは,つぎのようにまとめることができる。 (1)ラテン語の,〈ひきいる〉〈おさめる〉を意味する動詞regereの語幹reg‐からつくられた,たとえばラテン語のrex,ゴール語の‐rix(ただし合成語,たとえば,人名Ver‐cingeto‐rixの構成部分として),現代フランス語のroi。(2)王をあらわす古典ギリシア語のbasileus,現代ギリシア語のbasiliasは,語源が不明で,先ギリシア時代にさかのぼると推定される。…

※「ROI」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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