ASIC(読み)えーえすあいしー

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ASIC」の意味・わかりやすい解説

ASIC
えーえすあいしー

顧客の好みにこたえる半導体集積回路IC)を短時間で提供できるセミカスタムICのこと。Application Specific Integrated Circuitsの略語で、特定用途向けICとも訳される。フルカスタムICは開発費が高く、開発期間も長く、数量の関係から市場の要求に即応しがたいのに対し、ASICはいくぶん高価につくが、設計に自由度があり、開発期間も短時間ですむので、市場への追従性はよい。

 ASICは最適化設計により最短距離の回路が選ばれるため、小形、軽量で高性能、好みに応じた容器に実装されたICとなる。ホストコンピュータに自分のワークステーションを接続して自由に設計ができるので製品の守秘も可能である。ASICを実現させるには〔1〕ゲート利用にむだが多く、設計の自由度は少ない安価なゲートアレー、〔2〕自由度は大きくむだは少ないが、開発期間の長いスタンダードセル、〔3〕設計の自由度に限界はあるものの論理演算に適したCPU、〔4〕組合せ論理により論理関数を簡単につくれるPLD方式などがあり、目的に応じて使い分けている。

[岩田倫典]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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