DHCP(読み)でぃーえいちしーぴー

日本大百科全書(ニッポニカ) 「DHCP」の意味・わかりやすい解説

DHCP
でぃーえいちしーぴー

通信機器IPアドレスを自動的に割り当てるための交信規則プロトコル)。ダイナミック・ホスト・コンフィギュレーション・プロトコルDynamic Host Configuration Protocolの略語ネットワークには、DHCPにのっとってIPアドレスを割り当てる機能DHCPサーバー)とアドレスを受け取る端末側機能(DHCPクライアント)を備えた機器が設置されており、DHCPサーバーにはIPアドレスをはじめ、ネットワーク接続に必要な接続情報があらかじめ設定されている。パーソナルコンピュータ(パソコン)やスマートフォンなどの通信機器をネットワークに接続したときに、IPアドレスが自動で設定されるが、このときはDHCPクライアントがIPアドレスを要求し、DHCPサーバーはそれを受けて通信機器に割り当てたIPアドレスを送り返す仕組みになっている。公衆無線LANプロバイダーなどの接続で広く利用されており、一般家庭のインターネット接続ではブロードバンドルーターにDHCPサーバーが内蔵されているため、ネットワークの詳細設定を省略できる。DHCPサーバーにはネットワークが切断されたときに使用済みのIPアドレスを回収し、新たな通信機器に割り当てる機能もある。

 DHCPはもともとIPアドレスを自動で設定する交信の規則であったBOOTP(ブートピー)(ブートストラッププロトコルBootstrap Protocol)を拡張したもので、互換性を持つ。DHCPではネットワークの状態にあわせた動的なIPアドレスの配布が可能になり、自動で設定できる内容が増えている。

[編集部]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例