FeliCa(読み)ふぇりか

日本大百科全書(ニッポニカ) 「FeliCa」の意味・わかりやすい解説

FeliCa
ふぇりか

ソニーが開発した、非接触型ICカード技術方式。情報を蓄積しておくICカード内にアンテナとICチップを搭載。一方、情報を読み書きするリーダー/ライター側にアンテナとコントロールボードを搭載している。両者を、ISO/IEC18092に準拠した13.56メガヘルツの無線通信方式でつないでデータのやりとりをする技術である。通信内容は暗号化されており、さらにICカードとリーダー/ライターとの有効通信間隔が数センチメートルと狭いこともあって傍受されにくく、セキュリティーは高い。また、基本的な通信速度が毎秒212キロビットと高速で、検出・認証・データ交換といった一連の処理を約0.1秒で行うことができる。

 2010年時点で、JR東日本のSuica(スイカ)や首都圏の私鉄・地下鉄などのPASMO(パスモ)による乗車券や定期券、ビットワレット社のEdy(エディ)、セブン&アイ・ホールディングスのnanaco(ナナコ)、イオンのWAON(ワオン)などの電子マネー、社員証、学生証などに幅広く採用されている。また、携帯電話事業者各社が提供する「おサイフケータイ」もFeliCaを採用したものである。1枚のカード内に複数の情報を蓄積できるため、乗車券と電子マネーとポイントサービスといった、複数の機能をもたせた多目的カードとして利用されることが多い。

[編集部]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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