GT(読み)じーてぃー

日本大百科全書(ニッポニカ) 「GT」の意味・わかりやすい解説

GT
じーてぃー

乗用自動車型式名で、グラン・ツリスモgran turismo(イタリア語)、グランド・ツーリングカーgrand touring car(英語)の略。車体型式ではなく、車の性格を表す。語源は「長距離旅行用車」の意で、一般の路上で使用できる実用性と快適さをもち、しかも高性能な量産スポーツカーをいう。第二次世界大戦直後までスポーツカーの標準的な型式はスパルタンな(走行性を重視した質実剛健な)オープン2座であったが、その後社会全体の近代化の結果、スポーツカーにも優れた居住性が要求されるようになり、屋根付きのクーペを中心とするGT主力を占めるようになった。1970~80年代には大型で強力、豪華なイメージのGTが一般のスポーツカーの主流となった。一方レースの世界でも、第二次世界大戦後レース用スポーツカーの専門化が進み、本来の趣旨からかけ離れてしまったので、より実用性の高いスポーツカーによるレースを復興させるために、1950年代の末にGTという新しいカテゴリーが設けられた。

[高島鎮雄]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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