MLRS(読み)えむえるあーるえす(英語表記)multiple launch rocket system

日本大百科全書(ニッポニカ) 「MLRS」の意味・わかりやすい解説

MLRS
えむえるあーるえす
multiple launch rocket system

多連装ロケットシステム。アメリカの陸軍とLTV社が開発したハイテク兵器で、12発のロケット弾連射、約30キロメートル先まで精密誘導し、戦車などの目標を撃破する能力をもつ。日本の陸上自衛隊中期防衛力整備計画中期防)の目玉として2個隊36両の導入を決め、1993年度(平成5)予算から配備を始めた。アメリカやNATO諸国ではすでに配備しており、防衛庁(現防衛省)も日本企業のライセンス生産で導入したい考えだったが、アメリカ国防総省側は議会などに気がねし、完成品の輸入を求め、日本も応じざるをえなかった。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「MLRS」の意味・わかりやすい解説

MLRS
エムエルアールエス
Multiple Launch Rocket System

多連装ロケット・システム。ヨーロッパにおける NATO軍とワルシャワ条約機構軍の戦力格差が増大したことへの対処として開発された。 1974年に全般支援ロケット・システム (GSRS) 計画として始り,81年 MLRSと名称が改められた。機動性の高い装軌車両に,直径 227mm,最大射程 32kmの M26ロケット弾を,6発1組でロケット・ポッド・コンテナに格納したものを2個搭載している。また,MFOM (MLRSファミリー弾薬) と総称されるさまざまな弾薬類の運用も可能である。

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