外国企業が開発した製品について、日本企業が契約を結び、設計図などの技術資料と使用許諾を得て生産すること。日本は防衛装備品を取得する際、国内に要求性能を満たす技術がなく、開発まで時間や経費がかかる場合に採用している。自衛隊の装備品のうちライセンス品は米国や英国、フランスなどに由来する79品目。現行の防衛装備移転三原則の運用指針では、米国がライセンスを持つ装備の部品に限って輸出できる。戦闘機のエンジン部品などの実績がある。
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他者が開発し,または所有する製品製造についての新技術,新製法,ノウ・ハウさらにはブランド,マークなどをその所有者のライセンスlicence(許可)を取得して生産すること。その際の契約をライセンス契約といい,ライセンスを受ける側をライセンシーlicenceeと呼ぶ。その契約の際にライセンス料licence feeや新技術の実施料,ブランドの使用料などとして一定のロイヤルティroyalityが所有者に支払われる。またその製品の製造工場の所在地域や製品の輸出地域についての指定などの条件がつくのが普通である。
ライセンス生産は衣類,かばんなどのファッション関連商品から,自動車さらには軍用機,戦車に至るまで非常に広範な製品分野において行われている。日本においては,たとえば衣類の分野では1966年イトキンがフランスの婦人服メーカー,ジャン・キャシャレル社とブラウスについて,67年レナウンがアメリカのボビー・ブルックス社と婦人服について,71年同じくレナウンがアメリカのアーノルド・パーマー社とゴルフウェアについてライセンス契約を結んでいる。自動車では1952年に日産自動車がイギリスのオースティン社と,53年に日野自動車がフランスのルノー公団とそれぞれ乗用車のライセンス契約を結び,84年には同じく日産自動車が西ドイツのフォルクスワーゲン社の開発した乗用車〈サンタナ〉のライセンス生産を開始した。
このように盛んに行われているわけであるが,ライセンス生産は次のような場合に多く行われる。(1)その製品の開発・生産に高度な技術が必要で,簡単には自主開発ができない場合(軍用機など),(2)その製品のブランド・イメージが非常に高い場合(ファッション関連製品など)などである。
執筆者:青木 良三
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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