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院内感染 いんないかんせんhospital infection

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

院内感染
いんないかんせん
hospital infection

病院感染ともいう。病気の治療を行う医療施設において,逆に病気に感染してしまう現象。ただし外来患者の場合はどこで感染したか判断しにくく,院内感染と確定できるのは,ほとんど入院患者に限られる。 1988年に国立熊本病院が行なった日本初の院内感染発生率の調査によると年間 1000人の患者につき 29人程度の発生であった。しかし最近は抗生物質に対して強い耐性を示すMRSA (メチシリン耐性黄色ブドウ球菌) の感染がふえて,問題になっている。原因は,幅広い菌にきくメチシリンなどの第3世代の抗生物質の多用とみられ,死亡率はきわめて高い。 MRSAのほかにも,人体内に普段みられるような毒性の弱い細菌が,抵抗力が落ちると,急に凶暴になる日和見感染も少くない。 MRSAに有効な抗生物質としてバンコマイシンが用いられてきたが,それに抵抗性をもつVRE (バンコマイシン耐性腸球菌) も出現してきた。アメリカでは,院内感染対策制度が 1969年から義務づけられ,院内感染防止のための専任の実務担当者が各病院におかれている。院内感染源の発見とその原因究明が必要であるが,同時に抗生物質の使用を最低限度に抑えることも重要となる。

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知恵蔵の解説

院内感染

病院内で患者やその家族、医療従事者、医療器具などを通じ、ある感染症が他の患者に感染すること。多くの場合、原因となる微生物が薬剤耐性だったり病原性の低い微生物で、いわゆる日和見感染症の1つ。近年、特に問題なのはMRSAによる院内感染。また、抗生物質に耐性のVREも問題になっており、感染すると治療が難しい。

(今西二郎 京都府立医科大学大学院教授 / 2007年)

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デジタル大辞泉の解説

いんない‐かんせん〔ヰンナイ‐〕【院内感染】

病院の入院患者・職員・外来患者・見舞い客などが病院内で感染症にかかること。病院感染

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百科事典マイペディアの解説

院内感染【いんないかんせん】

病院内で発生する感染のことで,患者や医療従事者,家族,医療器具などを介する。薬剤耐性菌や病原性の低い微生物が原因となる場合が多い。近年,抗生物質に対して強い耐性を示すMRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)による感染が問題となっている。
→関連項目MRSA感染症抗菌グッズ

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大辞林 第三版の解説

いんないかんせん【院内感染】

入院中の患者あるいは新生児などが病院内で病原体の感染を受けること。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

院内感染
いんないかんせん

病院内でおこるあらゆる感染をさし、患者や病院職員、面会人など人を介する場合と、診療用の器具器材あるいは病原体を含んだ空気を介する場合がある。潜伏期間に入院して入院後に感染症状が現れても、病院外で感染している場合は院内感染とはいわない。また、入院中に感染して退院後に症状が現れる場合もある。近年における院内感染の特徴は、いろいろの原因により抵抗力が弱まった患者に発生しやすいことと、いわゆる薬剤耐性菌や弱毒菌によるものが少なくないことである。すなわち、日和見(ひよりみ)感染の色彩が濃い。院内感染は、病院の種類、規模、設備、管理方法などによっても発生頻度は異なるが、とくに重症患者室、外科系病室、手術室、小児科、新生児室や未熟児室での感染が問題である。近年は、院内感染対策委員会などを常設して、組織的に予防対策や発生時の患者管理を厳しくしている病院が増えている。[柳下徳雄]

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世界大百科事典内の院内感染の言及

【感染】より

…病原微生物がヒト,動物,植物の組織や体液に侵入し,あるいは表面に定着して増殖する状態になるのを感染という。微生物が体内に入っても,すぐに死滅してしまったり,素通りしてしまう場合は感染とはいわない。感染の結果,生体が全身性あるいは局所性に異常を生じてくることを発病といい,その病的状態を感染症infectious diseaseと呼ぶ。感染が成立しても,まったく病的状態が起こらないで,健康にみえる場合を無症状感染あるいは不顕性感染といい,症状をあらわす場合を顕性感染と呼ぶ。…

※「院内感染」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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