TNM分類(読み)ティーエヌエムブンルイ(その他表記)TNM classification of malignant tumors

日本大百科全書(ニッポニカ) 「TNM分類」の意味・わかりやすい解説

TNM分類
てぃーえぬえむぶんるい
TNM classification of malignant tumors

国際対がん連合(UICC:Union for International Cancer Control)によって定められた、悪性腫瘍(しゅよう)の病期判定(がんの進行度の判定)に用いられる分類。T(primary Tumor、原発腫瘍)はがんの大きさと浸潤の程度、N(lymph Node、所属リンパ節)はリンパ節転移の有無と範囲、M(distant Metastasis、遠隔転移)は遠隔転移の有無と範囲を示すもので、これらの三つの因子を評価してがんの病期を分類する。

 日本では各臓器の腫瘍ごとに取扱い規約があり、それに基づいて病理学的な検索結果が記されるが、TNM分類が併記されることも多い。

[渡邊清高 2018年1月19日]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「TNM分類」の意味・わかりやすい解説

TNM分類
ティーエヌエムぶんるい
tumor-node-metastasis classification

癌の進行度を示す国際的な分類法の一つ。T (tumor=腫瘍) は原発した癌病巣の広がり,N (node=結節) はリンパ節転移の程度,M (metastasis=転移) は離れた遠隔部位への転移の程度を表す。それぞれ T0~T4,N0~N3,M0~M1と段階が分けられており,数字が多いほど進行している。臓器別におのおのの TNM分類があるが,その基準値随時変更されている。治療法の決定や予後推定に利用される。

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世界大百科事典(旧版)内のTNM分類の言及

【癌】より

… 臨床癌はふつう四つの病期に分ける。国際対ガン連合が中心になって定めたTNM分類がよく用いられる。T(tumor)は原発部位の腫瘍の大きさや周辺組織への浸潤状態,N(node)はリンパ節への転移状況,M(metastasis)は遠隔ないし他臓器への転移を表す。…

※「TNM分類」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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