カトリーナ

共同通信ニュース用語解説 「カトリーナ」の解説

カトリーナ

2005年8月29日、米南部ルイジアナ州に上陸した大型ハリケーン勢力は最大時、米海洋大気局(NOAA)の5段階分類で最高の「レベル5」。同州ニューオーリンズでは複数の堤防が決壊し、市域の約8割が水没。上院報告書などによると、死者は被災地全体で1500人を超えた。ブッシュ(子)政権の対応が後手に回ったことへの批判噴出。危機管理体制に問題があったとの反省を踏まえ「ポスト・カトリーナ緊急事態管理改革法」が06年に成立。災害対応に当たる連邦緊急事態管理局(FEMA)が再編された。

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知恵蔵 「カトリーナ」の解説

カトリーナ

2005年8月25〜29日、米国南部を襲った大型ハリケーン。ニューオーリンズをはじめ隣接のミシシッピー州が特に大きな被害を受け、経済的損失額は1500億ドル(約17兆2200円)を超えると予測され、ハリケーンによる被害額としては、米国史上最大。特にニューオーリンズはもともと海抜0m地区で、避難した住民はライフラインを断たれ孤立し、略奪暴行が頻発した。こうした災害に救助・救援すべき連邦緊急事態管理庁(FEMA)はじめ様々な政府機関の対応が遅く、「人災」という非難もある。死者は06年5月現在1836人で、行方不明者は705人。復旧対策経費624億ドル(約7兆1660億円)の緊急補正予算などが成立したが、復旧にはさらに多くの資金と時間がかかることは確実。破壊された住宅、企業、自然環境の復旧、州外に避難した住民の帰還など、問題は山積。テロ対策のため国土安全保障省新設、外国の戦争や災害に対する迅速な対応とは対照的に、国内の自然災害に対する対応の遅さが露呈された。

(細谷正宏 同志社大学大学院アメリカ研究科教授 / 2007年)

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