国民同盟(日本の旧政党)(読み)こくみんどうめい

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

国民同盟(日本の旧政党)
こくみんどうめい

1932年(昭和7)12月、立憲民政党脱党した安達謙蔵(あだちけんぞう)、中野正剛(せいごう)らを中心に結成されたファッショ的政党。1931年、第二次若槻(わかつき)礼次郎内閣内務大臣であった安達は、十月事件などファッショ化の動きに触発され、二大政党(立憲民政党、立憲政友会)が協力して軍部寄りの強力な内閣を目ざす、いわゆる協力内閣運動を企てたが失敗、翌年32名の代議士を糾合して国民同盟を組織した。国民同盟は統制経済主義、日満経済ブロックの確立を唱えて政治のファッショ化を推進し、帝人事件に際してはこれを追及して斎藤実(まこと)内閣の倒閣をねらった。しかし、しだいに内部対立が表面化し、35年末には中野正剛が脱党、さらに36年、37年の二度の総選挙では大幅に議席を減らした。その後の活動は振るわず、40年7月解党、新体制運動に合流した。

[北河賢三]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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