天体崇拝
てんたいすうはい
太陽,月,星などの天体に対する信仰と儀礼。古代社会以来みられる宗教現象であり,自然崇拝の一形態といえる。太陽になんらかの超人間的な聖性と霊的な力を認める信仰は,古代エジプトの太陽神レーの崇拝をはじめとして世界中に広く分布している。また,朝日と夕日,夏の太陽と冬の太陽などを分けて崇拝する例もみられる (→太陽神話 ) 。月の崇拝は,太陽崇拝と関連して行われることが多いが,シュメールの月神シンや中国の月の精などにみられるように,月は死,復活,永遠,女性などの象徴として信仰される場合が多い (→太陰神話 ) 。星は,古代から占星術の形で超越的存在の啓示として信仰されてきた。オリエントの黄道十二宮,中国の同二十八宿はその例である。道教における北斗七星信仰は,日本にも伝わり,北辰妙見信仰として広く信仰されてきた。 (→自然神 , 自然神話 )
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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