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永遠 えいえんaeternitas; eternity

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

永遠
えいえん
aeternitas; eternity

普通には存在の無限的持続性をいうが,哲学的にはこれを「不朽」 sempiternitasとして「永遠」と区別する。不朽は普通時間的遍在であるが,永遠は過去,現在,未来という分節をもたない無時間性,もしくは超時間性を意味する。無時間的永遠とは数学的真理などを永遠の真理という場合がそれにあたる。超時間的永遠を初めて語ったのはパルメニデスで,彼は一者について生成を否定し,それは同時に全的に存在するとした。この思想を受けてプラトンは『ティマイオス』において,永遠の世界としてのイデア界を語った。彼は永遠を存在の知的世界に,時間を生成の感性的世界に対応させ,後者には存在は属さないことを強調し前者を顕揚した。このプラトンの思想はキリスト教思想に大きな影響を与え,永遠の生命の考えを中心とする教義の確立にあずかった。すなわちアウグスチヌスを経てボエチウスは『三位一体論』において,永遠を神に,不朽を世界に帰して両者を区別し,それはトマス・アクィナスに継承された。彼らが永遠を語った「すべてを同時に」という考えは,いわばパルメニデスヘの回帰である。キリスト教では,神による世界創造はあるときに起った事件なのではなく,時間もまた世界とともに創造されたといわれる。近世ではスピノザや観念論者たちがそれぞれの神や絶対者の存在に関して永遠を語っているが,そこでいわれる永遠は,生命と結びついたキリスト教的なそれではなく,真理の無時間的永遠に近いものになっている。

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デジタル大辞泉の解説

えい‐えん〔‐ヱン〕【永遠】

[名・形動]
いつまでも果てしなく続くこと。時間を超えて存在すること。また、そのさま。「永遠に残る名曲」「永遠のスター」「永遠に語り伝える」
哲学で、それ自身時間のにありながら、無限に持続すると考えられるもの。また、数学的真理のように、時間の内に知られても時間とかかわりなく妥当すると考えられるもの。

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デジタル大辞泉プラスの解説

永遠

日本のポピュラー音楽。歌は女性歌手、BENI。2012年発売。作詞:BENI、K.Sakama、作曲:3rd Productions。同年放映のNHKのドラマ「本日は大安なり」の主題歌。

永遠

日本のポピュラー音楽。歌はJ-POPユニット、ZARD。1997年発売。作詞:坂井泉水、作曲:徳永暁人。日本テレビ系で放送のドラマ「失楽園」の主題歌。またキヤノン一眼レフカメラ「Eos kiss」のCMにも起用。

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大辞林 第三版の解説

えいえん【永遠】

( 名 ・形動 ) [文] ナリ 
ある状態が果てしなく続く・こと(さま)。永久。永劫えいごう。とこしえ。 「この時が-に続けばよい」
時間を超越して変わらないこと。 「 -の真理」
〘哲〙 〔eternity〕
普遍的真理のように、その意味や妥当性が無時間的であるもの。
神やイデアのように、超時間的に存在するもの。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

永遠
えいえん

宗教、哲学の用語。つねに在るものの在り方をいう。時間に対比して用いられる。時間が、移り変わり過ぎゆくものにかかわり、過ぎゆくものの在り方をいうのに対して、永遠は不変なものの在り方をいう。
 日本古語の「トキハ(常磐、常盤)」は「トコ(常)イハ(磐)」の意味で、しっかりとしていつも在るものをいい、「トコシヘ」も同語根からの派生語と考えられるが、インド・ヨーロッパ語で「永遠」を意味するain, idion(ギリシア語)、aevum, aeternum(ラテン語)、ewig(ドイツ語)、eternal(英語)はいずれも「生命」「生命の長さ」「世代」を意味する同一語根から派生し、「いつも在るもの」または「世代を交代していつも在るもの」を意味した。それは宗教上の文脈では「代代(よよ)にいつまでも在るもの」「世の始めからいつも在るもの」として、時間を前後に無限に延長することにより神的なものを表象した。一つの世界が終われば、また次の世界が始まり、継起するこの世界の全体には始めもなく終わりもなく、それは永遠な神的な世界であるとするギリシア的な循環的世界観もこうした宗教的な永遠(永劫(えいごう))の観念の一つである。
 これに対して、プラトン哲学では「アーイディオン(永遠なもの)」は「ホラトン(見えるもの)」に対比される。「見えるもの」が肉体の感覚を通じて入ってくるもので、片時も同一の在り方を保たないとされるのに対して、「永遠なもの」は理性の思惟(しい)によって把握され、つねに同一の在り方を保つとされた(『パイドン』79~80)。ここでは、永遠は、変化生滅にかかわる時間の秩序とは別個の秩序をなすことになる。永遠が、時間を水平の方向に無限に延長した無始無終としてではなく、時間を成立させる根拠として垂直の方向に把握されてくる端緒がここにある。それは時間の秩序のなかでは、むしろ「瞬間」として現成するものであり、時間の端緒あるいは終端として時間を成立させ、それ自身は過ぎ去らず「留(とど)まるいま」nunc stansであるといわれる。プラトンにはギリシア古来の宗教的観念も残存し、時間の内にある世界は「アイオーン(永遠)を運動の内に模倣する模像」(『ティマイオス』37D)であり、それ自身もまたアイオーニオス(永遠なもの)であるとされている。だが、キリスト教では、創造され、生成した世界は永遠ではなく、創造者である神のみがアエテルニタス(永遠である)とされる(アウグスティヌス、トマス・アクィナス)。ただし、キリスト教では、神の子である永遠のことばが人(イエス・キリスト)になったという「インカルナチオ(受肉)」の教義によって、永遠は時間を含むものとしても観念されることになった。中世から近世、現代に至るヨーロッパの神学、哲学の思弁はこの問題にかかわるところが大きい。[加藤信朗]

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世界大百科事典内の永遠の言及

【時間】より

…そこでは未来も過去も,ともに現在のために付随的に考えられた時間態であると考えられる。こうした発想は,洗練された形では西欧にもニーチェの〈永遠の今ewiges Jetzt〉というような概念として登場するが,ニーチェのそれもインド仏教の影響という点から考えられるとすれば,やはりインドに特徴的である。
【時間論の系譜】
 過去,現在,未来の順序に固執するところからは,時間の流れ,もしくは〈流れる時間〉が出現する。…

※「永遠」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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