デジタル大辞泉 「自然神話」の意味・読み・例文・類語 しぜん‐しんわ【自然神話】 自然現象や自然物の起源・成立・由来・活動などを述べた神話。天然神話。→人文じんぶん神話 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例 Sponserd by
精選版 日本国語大辞典 「自然神話」の意味・読み・例文・類語 しぜん‐しんわ【自然神話】 〘 名詞 〙 自然物や自然現象の成立した起源、状態、活動などを宗教的、文学的に叙述した神話。天然神話。 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例 Sponserd by
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「自然神話」の意味・わかりやすい解説 自然神話しぜんしんわnature myths 夜明け,日没,日月食や暴風雨そのほか,人間の想像力に印象的,刺激的な自然現象を神々や悪魔,神的存在などの働きと結びつけ,その原因を説明する神話。北欧など多くの民族の神話では,日食と月食は,太陽と月が,そのあとを常に追い続けているおおかみによって飲まれかけると起るとされている。インドとインドシナの神話では,同じ現象が,太陽と月に恨みをもって,絶えず跡を追い続けているラーフという名の頭だけで身体のない凶暴な悪魔によって引起されると物語られている。また『リグ・ベーダ』に歌われた古いインド神話では,毎夜の終りにまず夜の女神ラートリーによって生み落される嬰児の太陽が,ラートリーの姉妹である曙女神ウシャスに乳を与えられて育てられ,ウシャスは東天にその美しい裸体をさらしたあと,闇の悪魔たちを西のはてに追払い,世界に朝をもたらすという形で,毎日繰返される夜明けの現象のことが物語られている。このように世界の諸民族の神話には確かに,純粋もしくはそれに近い自然神話と解釈される話が多く含まれており,そのため 19世紀後半には,あらゆる神話伝説やおとぎ話などの類まで,太陽神話もしくは暴風雨神話の変化したものとして説明しようとする極端な「自然神話論」が流行した。しかし今日ではこの理論の行過ぎが是正され,神話にはこのように一元的に解釈しただけでは決して尽せない複雑な含蓄のあることが一般に認められている。たとえば,『リグ・ベーダ』で暴風雨現象は確かに,インドラやマルト,ルドラ,バーユらの神々が,大気圏を舞台にその猛烈な速力と力を発揮して行う移動と戦闘によって引起されると物語られており,また日本の天岩屋戸の神話が,冬至や日食などの太陽現象と深いかかわりをもつことには疑問の余地がない。しかしそれにもかかわらず,インドラやマルトらの戦闘の話は,決して単なる暴風雨神話ではなく,また天岩屋戸の神話も,太陽神話であると同時に,それ以外の多くの意味を包含することは明らかである。 出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報 Sponserd by