御乳(読み)オチ

デジタル大辞泉 「御乳」の意味・読み・例文・類語

お‐ち【御乳】

《「御乳の人」の略》貴人乳母
「涙は―が胸の内」〈浄・先代萩

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「御乳」の意味・読み・例文・類語

お‐ちち【御乳】

〘名〙 (「お」は接頭語)
乳汁。また、乳房(ちぶさ)
浮世草子世間娘容気(1717)一「お乳(チチ)あがっておよりませ」
② 乳母(うば)おちの人。おち。
※浮世草子・西鶴織留(1694)六「乳(オチチ)を聞立(ききたて)一時もそまつにせざりし」

お‐ち【御乳】

〘名〙 (「お」は接頭語)
① 「乳」「乳汁」をいう、尊敬丁寧語。おちち。
たまきはる(1219)「御ちをまゐらせんと、御ちの人のあきたげに思たるまでいひそそき」
私聚百因縁集(1257)九「其の故は乳母(ヲチ)なんとか云ふ事を聞けは」

お‐ちい【御乳】

〘名〙 (「お」は接頭語。「おち(御乳)」の変化した語) 乳母(うば)
咄本・昨日は今日の物語(1614‐24頃)上「何としてか、おちいのまへをいだされた」

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