明楽(読み)ミンガク

デジタル大辞泉 「明楽」の意味・読み・例文・類語

みん‐がく【明楽】

中国代の音楽日本に伝来したもの。月琴琵琶竜笛しょう雲鑼うんらなどの11種の楽器で伴奏する歌曲。寛永6年(1629)長崎に来た魏之琰ぎしえんが伝え、一時京都で流行したが、幕末には衰滅、その一部清楽に吸収された。→明清楽

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精選版 日本国語大辞典 「明楽」の意味・読み・例文・類語

みん‐がく【明楽】

〘名〙 中国、明代に行なわれた音楽。詩経の大小雅や李白・杜甫の楽府題の詩などを中国風の音曲で歌唱したもので、楽器は笙・月琴・龍笛など一一種ばかりある。日本には、寛永六年(一六二九)明朝の楽人魏之琰(ぎしえん)が長崎に来てこれを伝え、一時貴人の間に流行したが、江戸末期に衰滅した。日本では清楽(しんがく)と合わせて明清楽という呼称ができた。
随筆西遊記(新日本古典文学大系所収)(1795)四「はんしゃうとて笛をふく、すなわち明楽の長笛なり」

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世界大百科事典(旧版)内の明楽の言及

【明清楽】より

…近世日本で行われた明・清両朝楽曲の総称。明楽は17世紀中ごろ,福建省の人,魏双侯(ぎそうこう)(1613?‐90ころ)が長崎に伝え,やがて京都に上って内裏でも奏した。魏双侯の曾孫の魏皓(ぎこう)(字は子明,?‐1774)も1770年(明和7)前後の10年あまりを京都に居住し100人以上の弟子を育て貴族諸侯の愛好を得た。…

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