朝日日本歴史人物事典 「武田勝頼の妻」の解説
武田勝頼の妻
生年:永禄7(1564)
戦国・安土桃山時代の武家の女性。北条氏康の娘,氏政の妹。天正5(1577)年,北条氏と武田氏の同盟強化のため勝頼に嫁ぐ。翌年,勝頼が北条氏と断交し上杉氏と結んでもそのもとにとどまった。武田家が滅亡の危機に頻した同10年2月19日,戦勝を祈念して武田八幡宮(山梨県韮崎市)に奉納した自筆の願文には夫への深い愛情が表されている。実家に帰るよう勧める夫の言葉にも従わず,武田氏終焉の地田野で自ら守り刀を抜いて自害したと『理慶尼記』は記す。
(池上裕子)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報