渋谷区(読み)シブヤク

デジタル大辞泉 「渋谷区」の意味・読み・例文・類語

しぶや‐く【渋谷区】

渋谷

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日本歴史地名大系 「渋谷区」の解説

渋谷区
しぶやく

面積:一五・一一平方キロ

東は港区、南は品川区・目黒区・世田谷区、西は杉並区・中野区、北は新宿区に接する。武蔵野台地に立地し、浸食谷が複雑に入組み坂が多い。JR山手線、私鉄の小田急線・東急線・新玉川線、地下鉄日比谷線・千代田線・半蔵門線などが相互に乗入れ、利便性の高い地は副都心にふさわしい。

〔原始〕

区域は武蔵野台地南東部の淀橋よどばし台に属し、そこを流れる渋谷川(古川)などによって形成された台地上に旧石器時代後期から古墳時代までの遺跡が分布している。旧石器時代ではナイフ形石器が出土した千駄ヶ谷五丁目せんだがやごちようめ遺跡などがあるほか、縄文時代では早期から晩期までの遺跡が中央部以南に数多く確認されている。代表的な集落跡では早期の鉢山町はちやまちよう遺跡・猿楽町一七番さるがくちようじゆうななばん遺跡、中期の代々木八幡よよぎはちまん遺跡、後期・晩期の豊沢とよさわ貝塚がある。なかでも豊沢貝塚は石剣や土偶のほかに土壙群も見つかり、後期の男性人骨が二体確認されている。弥生時代の遺跡は少なく、しかもほとんどが後期である。集落跡として猿楽遺跡があげられるほか、環濠を伴った鉢山町遺跡も注目される。古墳時代では前期の集落跡の円山町まるやまちよう遺跡や円墳の猿楽塚さるがくづか古墳(二基)などがある。後期以降には横穴墓となり、過去において渋谷駅付近の台地縁辺部で多数確認されていたが、ほとんどが開発で消滅し詳細は不明である。

〔古代・中世〕

金王こんのう八幡神社は平安時代末期以降活躍した渋谷氏の祖金王丸を祀ったとされている。「寺社備考」は金王丸について社記を引用し、その伝承を記している。また「江戸砂子」は社地は金王丸の館跡であったとしているがつまびらかではない。渋谷は平安時代末期以降渋谷氏の所領。渋谷重国は武蔵・相模両国に所領を有し、鎌倉幕府創設に功があった(「吾妻鏡」治承四年八月九日条など)。重国は相模国渋谷庄(現神奈川県綾瀬市・藤沢市)に移ったが、一族のなかに武蔵国に拠る者があって、南北朝期以降も世田谷吉良氏・上杉氏・太田氏と対抗、大永四年(一五二四)北条氏綱に敗れ、領地は北条氏の支配に移っている。北条氏所領役帳には幡ヶ谷はたがや(遠藤藤六、一一貫文)千駄ヶ谷(島津孫四郎、八貫六四〇文)原宿はらじゆく(太田新次郎、一一貫七〇〇文)・下渋谷(興津、六貫五〇〇文)などの地名がみえる。現在の道玄坂どうげんざかから現世田谷区三軒茶屋さんげんぢややを抜け、世田谷郷・相模国へ通ずる道(江戸時代の矢倉沢往還・大山道)を中世には矢倉やぐら街道と称していた。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「渋谷区」の意味・わかりやすい解説

渋谷〔区〕
しぶや

東京都 23特別区の1つ。 1932年区制。 47年特別区制。中央を古川 (渋谷川) が流れ,南東部には高級住宅,大学,外国公使館,病院などがある。中部に代々木公園明治神宮,青少年総合センター,NHK放送センターなど公共施設が多い。忠犬ハチ公銅像で知られる渋谷駅に JR,私鉄,地下鉄,バス路線が集中し,駅周辺は百貨店,商店,飲食街,劇場,映画館などが立並ぶ一大繁華街となっている。面積 15.11km2。人口 24万3883(2020)。

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