(読み)コウ

デジタル大辞泉 「狡」の意味・読み・例文・類語

こう【狡】[漢字項目]

[音]コウカウ)(漢) [訓]ずるい こすい
悪賢い。ずるい。「狡獪こうかい狡猾こうかつ狡兎こうと

ずる【×狡】

ずるいこと。怠けること。不正をすること。また、その人。「をする」「をきめこむ」

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「狡」の意味・読み・例文・類語

ずる・い【狡】

〘形口〙 ずる・し 〘形ク〙
① 当然するべきことをなまけたり、自分利益を得たりするためにうまく立ち回る性質である。悪賢い。横着だ。こすい。狡猾である。
※大学垂加先生講義(1679)「武毅はずるうなき也」
当世書生気質(1885‐86)〈坪内逍遙〉二「なんだか険のんぢゃアないか。君も中々ずるくなったネ」
② しまりがない。ふしだらである。身持が悪い。淫乱である。
※雑俳・川柳評万句合‐明和元(1764)鶴三「ずるひ下女しかられながら二ふくのみ」
③ むごたらしい。残酷である。
※歌舞伎・千代始音頭瀬渡(1785)序幕「是れより老母をずるく殺し、止めを刺す」
ずる‐さ
〘名〙

こす・い【狡】

〘形口〙 こす・し 〘形ク〙
① 体裁よく人をだまして、ひそかに自分の利益をはかるさま。ずるい。狡猾(こうかつ)である。
※虎明本狂言・馬口労(室町末‐近世初)「をのれはこすひ事をしおる」
② けちである。欲が深い。
※三百則抄(1662)七「遠路を尋来た路銭の程を計て還せと云がこすき羊だぞ」
こす‐さ
〘名〙

ずる【狡】

〘名〙 ずるいことをすること。また、その人。
滑稽本・大千世界楽屋探(1817)下「お寺へ先へ往たずる連中は、袴をはかず」

ずる・し【狡】

〘形ク〙 ⇒ずるい(狡)

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